No Title

 

『好きです』

と、ひと言言えればいいのかもしれない。
そうしたら、きっとスッキリするに違いない。
でも、もし答えを貰えなかったら……またあの時のように、激しく不安定になるのだろうか。
辛くて声が出せず、苦しくて顔を上げることを躊躇って、頬を涙が伝う日々。
友達には心配を掛けまいと、みんなの前では笑っている自分が痛々しい。
別れた瞬間に顔を背け、大きな溜息を吐く。
素の自分を出せたらどんなに良いことか。
今にも壊れそうな顔が鏡に映るのを見るたびに自己嫌悪を繰り返している。

好きだから、一緒にいたい。
手を伸ばせば触れる距離で、存在を感じていたい。
触れたい。抱きしめて欲しい。
どんどん強くなる願望に、ただただ嫌気がさす。
そして呪文のように言い聞かせてる。

『諦めてしまえばいい』

それでも過敏になっている私にはあまり効果はない。
やらないよりはマシだから。自分の暴走を止める為だから。
自傷で事が過ぎるなら、こんなに安いものはない。

 

-fin-

■あとがき

自分に自信がないのは哀しいと思った。